2022年7月 今月の心のビタミン

1998年、長野冬季パラリンピックの開会式で、スペシャルゲストとして招かれ、テーマソングやゴスペルを歌うレーナ・マリアさんの姿はテレビでも放映されたので、ご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。

レーナ・マリア、彼女こそ、1987年パリで行われたヨーロッパ障がい者水泳選手権大会で、4つの金メダルを独占して多くの話題をさらった女性なのです。生まれながらに負った大きな障がいにもかかわらず、いつも微笑んでいる彼女の明るさと前向きな生き方に関心が寄せられ、地元の新聞の取材が幾日も続きました。

「マリア、あなたの喜びはどこから来るのですか」、取材の度に聞かれる質問に、彼女もまたいつもと同じように答えます。「私の両親は、私を障がい者レーナ・マリアとしては育てず、一人の娘、レーナ・マリアとして育ててくれました。そして、いつも『あなたは価値ある者です。私たちはあなたをとても愛している』と育ててくれました。けれども、それ以上に神さまが私を愛してくださっているということや、私には神さまの特別なご計画があるから、他の人と違う形に(人はそれを障がいと呼びますが)造られたのだということを話してくれました。ですから私は、この特別な体を神さまのために使っていただきたいと思っています。そのようにお祈りしていると、神さまがどんな時でも、私と一緒にいてくださって、私を助けてくださり、私の親友でいてくださることが分かって、いつも喜んでいることができるのです。」

レーナ・マリアさんは取材を受けながら、選手権大会で優勝したことを喜ぶ以上に、障がいを持った身体を悲観したり、消極的になったりしないように育ててくれた両親と、いつも祈りに応えて希望を与え続けてくれる神さまに心から感謝しました。

神さまってすばらしいですね。そして、神さまを信じて生きるってすばらしいですね。

健康が損なわれても、富が失われても、願いが叶わなくても、希望と喜びを持って生きられる人生があるんですね。

レーナ・マリアさんはこうも言っています。「私は自分を強い人間だと思ったことはありません。年とともに体が硬くなって、腰に負担がかかると痛みを感じやすくなったせいか、神さまが私を障がいのない体にしてくださったらと願うことだってあります。しかし振り返ってみた時、私がしてきたことのすべてを感謝できるんです。だから障がいも感謝しています。私は本当に豊かな人生を過ごしてきたけれど、神さまから力を頂かなかったら、そうはいきませんでした。これからも何が起ころうと、神さまは私を愛してくださるから大丈夫。そう思うと自然に喜びと感謝が湧いてくる。それが私の生きる力になるんです。神さまに頼ることを知っている人は、豊かな人生を歩むための鍵を持っているようなものですよ。」

聖書のことば  苦しみにあったことは私にとって幸せでした。それにより私はあなたのおきてを学びました。(旧約聖書・詩篇119篇71節)